▽用語解説「M2--マネーサプライ」
M1、M2、M3はいずれも通貨供給量を反映する重要な指標だ。
世界のおおまかな区分によると、狭義マネーサプライ(M1)は流通現金と小切手の振り出しが可能な当座預金の残高の合計したもの。広義マネーサプライ(M2)はM1に預金残高(普通預金と定期預金の残高を含む)を加えたもの。M3はM2にその他の短期流動資産(国債、銀行引受手形、コマーシャルペーパーなど)を加えたものを指す。
中国の通貨に対する区分は次の通り。M0は流通現金。M1はM0に企業の普通預金、機関・団体・部隊の預金、農村の預金、個人が保有するクレジットカードなどの残高を加えたもの。M2はM1に都市部住民の預金、企業の預金のうち定期の性質をもった預金、信託預金、その他の預金を加えたもの。M3はM2に金融債権、コマーシャルペーパー、大口の譲渡性預金などを加えたものだ。
うちM2からM1を引いたものが準備通貨であり、M3は金融ツールが常に刷新されることを受けて設置された。
M1には経済における実際の購買力が反映され、M2には実際の購買力は反映されず、潜在的な購買力が反映される。M1が急速に増加すれば、消費と末端の市場が活気づく。M2が急速に増加すれば、投資と中間市場が活気づく。人民銀と各商業銀行はこれに基づいて通貨政策を判断することが可能だ。M2が過剰になり、M1が過小になると、投資が過熱し、需要が不足し、金融危機のリスクがあることになる。M1が過小になり、M2が過剰になると、需要が旺盛になり、投資が不足し、価格上昇のリスクがあることになる。
「人民網日本語版」2010年11月16日