レアアース供給国 次に狙われているのは?

レアアース供給国 次に狙われているのは?。

タグ: レアアース

発信時間: 2010-11-16 17:29:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

9月末、海外メディアが「中国がレアアースの輸出を制限、さらには禁止する」と言うデマを流したあと、欧米諸国では「資源危機の崖っぷちに居る」だの、「中国、欧米諸国に『レアアース戦争』を仕掛ける」だのと言った憶測が乱れ飛んでいた。世界中に埋蔵されているはずのレアアースは中国が世界を脅す「武器」のように言われている。独「毎日鏡報(Daily Mirror)」は、北京在住のドイツ経済界関係者のこのような話を載せた。「中国がレアアースを武器に世界を弄んでいるのは、いつかOPECが石油を弄んでいたのと同じである。」また米「新聞週間(News Week)」も、「レアアースは中国の貿易パートナーである国々の頭上に吊り下げられている『ダモクレスの剣』である」と称した。現在、世界のレアアース生産量は1年間で12万トン、概ね需要を満たしている。しかし、独「経済」週間紙は、2012年には世界のレアアース消費量は1年間18万5000トンに達すると予想している。「レアアース恐慌」や「レアアース戦争」に不安を感じ、欧米諸国は夜も眠れないようだ。

そして、最も危機感を募らせているのが、レアアースの埋蔵がなく、且つ最大の消費国である日本だ。20年分困らないだけのレアアースを中国から安く購入はしているが、結局はリーズナブルなレアアースが手に入る供給国を探し始めている。インドは10月24日、日本とともにレアアースの開発を行なうことを発表した。インドは世界でも5番目にレアアースを多く産出している国であり、明らかになっているだけでも世界全体の3%を占める310万トンの埋蔵量を抱え、生産量においては世界の2.2%を占める。第二次世界大戦後、インドのレアアース鉱石の供給量は世界全体の半分を占めていた。日本共同通信社によると、日本はインド東部のオリッサ州にネオジム磁石からレアアースを精製する工場を建設する予定であり、毎年3000~4000トンの生産量を目指している。英ロイター通信は、インドがレアアースを生産するのは2004年以来だと報じた。インドのカピル・シバル元外務次官は「インドは、日本と中国が政策でもめているこの絶好の機に、中国に致命傷を与えようとしている。しかし、かといって日本にレアアース鉱石を直接採掘させることは無いだろう」と言った。

東南アジアの中でレアアース埋蔵量が最も多いベトナムも日本の標的である。ベトナム資源環境局の阮文徳副局長は「日本がベトナムのレアアースに目を付け始めたのは3,4年前である」と漏らした。少し前にハノイで行なわれた東アジアサミット(EAS)において、菅直人首相は太っ腹にも、ベトナムのインフラ整備と発展のために790億円の助成金を提供すると言った。その見返りに求めたのがレアアース開発権だったのだ。両国の企業はすでに埋蔵量が豊富なベトナムのDong Pao(ドンパオ)・レアアース鉱床の研究調査に乗り出しており、毎年5000トンのレアアース鉱石を日本に供給する予定だ。これは日本のレアアース需要の20~25%を占め、20年間持続できると言う。しかし、ベトナム国内ではレアアース資源を自国で保存し、今後の国家建設に活用すべきとの声も上がっている。「環球時報」の記者は「日本はベトナムにおいて今後、環境保護の面で大きなプレッシャーを感じることになる」との見方を示した。9月25日、日本はカザフスタンとも共同開発で同意しており、韓国が長年独占してきたカザフスタンのレアアースが日本にも解禁された。また、モンゴルとも共同開発をすることで意見が一致している。しかし、モンゴルにレアアースが埋蔵されていると言うのはまだ憶測に過ぎない。中国の内モンゴルにあるから、モンゴルにもあるのではないかと言う推測段階だが、日本は400億円を注ぎ込む予定である。

「レアアース恐慌」に脅えているのは他にもヨーロッパ連合が挙げられる。EU諸国には採掘ができるほどのレアアースは埋まっていない。電気回路、コンピューター、磁石、車などのレアアースを回収し再利用することで賄っている。独「明鏡(デア・シュピーゲル)」週間紙は、「ドイツ経済界では、レアアースを使い切ったため会社は生産制限に追い込まれているとの企業報告が上がった」と報道した。EU諸国は今、レアアースの代用品になるものを探している。独「世界報(ディ・ヴェルト)」新聞によると、ドイツBASFグループのアジア太平洋地域担当取締役のマーティン・ブルーダーミュラー氏は「今回の危機はドイツの工業界が新しいものを生み出すモチベーションになる。資源開発チームを立ち上げる予定だ」と話しているそうだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月16日

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