「第12次五カ年計画(2010年-2011年)」の中で「中国の発展は依然として大いに力を発揮できる重要な戦略的チャンスの時期にある」と指摘されているが、これは国内外の情勢、新たな変化、新たな特徴、中国の成長の歴史的位置づけを科学的に分析して出された重大な結論だ。こうした戦略はどのように立てられたのか?中国の今後の発展にどう影響するのか?国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長、中国社会科学院数量経済技術経済研究所の汪同三所長、国務院経済発展研究センター金融研究所の巴曙松副所長に解析してもらった。
▽中国の発展に有利な条件が多い
--「今後ある程度の期間、中国は重要な戦略的チャンスを迎える」という具体的な根拠は?
王氏:国際的な環境をみると、次の3点が挙げられる。まず、経済のグローバル化が進んでいるが、中国にはグローバル化調整の中で優位な点がある。第二に、金融危機後、各国が力を注いでいる新技術、新産業は次の成長の重要なパワーと目されているが、中国は技術競争や産業競争の中で新たなチャンスを見出せる。第三に、新興大国の地位が上昇しており、中国等の新興大国は世界の経済成長を促進する重要な力になりつつある。
汪氏:現在、中国の経済・社会の発展に有利な条件が多くある。世界経済が徐々に回復に向かい、2009年のマイナス成長から今年はプラス成長に転じたのもそうだし、貿易量も増加している。特に各国は金融危機後、国際間の金融監督の強化に向け、より有効な新しい国際金融秩序づくりを強調し始めた。これは中国の将来的な発展に非常に有利だ。また、マルクスの経済理論通り、世界経済危機が勃発する度に経済回復は技術の進歩、産業再編、設備更新を基礎としてきた。このことが中国を含めた世界経済に大きなチャンスをもたらし、量的な成長だけでなく、質的にも飛躍し、新たな技術革新を土台とする経済成長を確立することにつながる。