「第12次五カ年計画(2010年-2011年)」の中で「中国の発展は依然として大いに力を発揮できる重要な戦略的チャンスの時期にある」と指摘されているが、これは国内外の情勢、新たな変化、新たな特徴、中国の成長の歴史的位置づけを科学的に分析して出された重大な結論だ。こうした戦略はどのように立てられたのか?中国の今後の発展にどう影響するのか?国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長、中国社会科学院数量経済技術経済研究所の汪同三所長、国務院経済発展研究センター金融研究所の巴曙松副所長に解析してもらった。
▽経済の長期安定した比較的速い成長が期待できる
--国内経済の現状は、戦略的チャンスを迎える準備ができているか?
王氏:国内の発展状況をみると、中国は経済の長期安定した比較的速い成長を維持する数多くの有利な条件を備えている。▽まず、総合的な国力や国際競争力、リスク対応力は新たな段階に進歩した。今年の一人当たり国内総生産(GDP)は4000ドルを突破する見通しで、中低所得の国から中高所得の国家へと邁進しつつある。▽第二に、国内市場が急成長しており、巨大な消費力を、持続的な経済成長につながる力強いパワーに転化することができる。▽第三に、産業構造の転換が急速に推進されており、サービス業や新興産業に大きな成長の可能性がある。次世代情報技術や、省エネ・環境保護、バイオ、ハイエンド設備製造、新エネルギー、新素材、新エネルギー車など戦略的新興産業の成長が、新興産業による経済成長の牽引増強につながる。▽第四は、都市化の加速がインフラや住宅などの巨額投資のほか、農村部住民の都市部への流入で巨大な消費が生まれる。▽第五は、改革深化の余地が大きい。改革によって資源の使用効率が改善、生産率が向上され、経済の長期安定した比較的速い成長の力強い動力となる。
巴氏:総体的に中国の総合国力は増強しており、金融危機から既に回復し、さらなる改革と構造転換の基礎を備えている。特定の意味からすると、中国の経済成長を制約する要素、例えば消費の貢献度が低い、社会保障システムが整備されていない、貯蓄率が過剰なども同じく改革を通じて経済成長の新たな動力としていくことができる。このプロセスが構造調整のプロセスとなる。