世界有数の金融グループ、クレディ・スイスが発表した「世界資産リポート」によると、中国の1人当たり金融資産保有高は2000年の6千ドルから2010年には1万8千ドルに増加した(世界の 平均金融資産は4万3800ドル)。この報告に対し、中国のネットユーザーの多くは「まったく身に覚えがない」と異議を唱えている。毎日経済新聞が伝えた。
このクレディ・スイスの報告は信頼性の高いものといっていい。中国人1人当たりの金融資産が成人で12万元というのはたいした額ではない。世界の平均金融資産の41%にすぎ ず、世界的には中国人は裕福とはほど遠い。ではどうしてこの報告にネットユーザーは異議を唱えるのか?しかも「1万8千ドルとはたいしたものだが、その財産は一体どこにあるのか?」という疑問を投げかけている。
まず正視しなければならないのは、多くの中国人がこの1万8千ドルという財産を確かに保有していないことだ。大多数の農村部の家庭、中西部の中小都市の一般家庭に「1万8千ドル(約12万元)」の財産なんてない。この12万元というのは全国の成人1人当たりの平均データであって、多くの中国人にとっては突然12万元が棚から落ちてきた ということになる。現在、中国には数多くの億万長者が いる。昨年末時点の億万長者は5万5千人を数えた。今年10月に発表された「2010フージュン長者番付」では、中国には資産10億元以上の資産家が1363人、資産100億元以上の資産家が97人いると報告された。1万8千ドルはこうした資産家のポケットに入っている といえる。
「人民網日本語版」2010年12月1日