▽背景に日本市場の落ち込み
日本の二番手メーカーが中国市場の重視に転じた根本的な原因は、日本国内の販売台数の落ち込みにある。三菱自動車の益子修・代表取締役社長は「我が社は中国で成長戦略を描けなければ、未来がない」と話し、中国の成長に力を借りて、企業復興の目的を達成したいと述べる。
富士重工業の森郁夫社長は「自動車を自動車の価値がわかる人に売りたい」と話し、中国の富裕層向けに特殊な機能を備えた高級車を生産し、独自の市場戦略によって中国市場を攻略するとの考えを明らかにした。
だが三菱自動車であれ、富士重工業であれ、中国市場での販売台数はわずか数万台から数十万台に過ぎず、現地メーカーとでは比べ者にならない。熾烈な価格競争が繰り広げられる中国自動車市場で、日本の大手メーカーと欧米のメーカーとに挟まれた日本の二番手の中堅メーカーがどこまでやれるかは、今はまだ未知数だ。
▽日系メーカーの中国での販売台数は減少
2010年1月から10月までの、日系ブランド中国産乗用車の中国での販売台数は214万6900台で、前年同期比25.2%増加してはいるが、増加ペースは中国乗用車産業全体の平均(37.8%)を下回る。日本最大のメーカーであるトヨタは10月に中国市場で6万1600台を販売したが、前年同月比では6%の減少で、18カ月連続で中国市場での単月の販売台数の前年同月比がマイナスとなった。
「人民網日本語版」2010年12月6日