アジア地域における金融協力の展望と中国・日本の役割について話し合うフォーラムが7日北京市で開催された。出席した両国の金融分野の専門家の指摘によると、アジア経済の一体化が深まるのにともない、貿易協力を土台として、アジア地域で金融・通貨協力や財政協力を行うための条件が徐々に整いつつあるという。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
今回のフォーラムは日本の笹川平和財団と中国国際友好連絡会が共同で開催したもの。中国からは国家外匯管理局、財政部、中国人民銀行(中央銀行)などの機関の金融・経済関係者や学術関係者が多数出席した。
今回のフォーラムの中国側代表団団長を務める、中国国際友好連絡会の李暁華副会長はあいさつの中で次のように述べた。グローバル経済の復興ペースが鈍化する状況において、アジア・太平洋地域が世界経済の主要なパワーであるという状況がますます顕在化してきた。中日両国は国際的金融機関の改革と通貨システムの改革を共同で推進し、公正で公平、かつ包容力と秩序のある国際金融の新たな秩序をうち立てるために努力しており、新情勢のニーズに対応するとともに、中日両国の利益にも合致した動きとなっている。
国家外匯管理局科技司の劉光渓司長はフォーラムでのテーマスピーチの中で次のように述べた。アジアの金融・通貨協力と経済協力は貿易協力を基礎とし、貿易・経済の一体化プロセスの中で通貨の互換、多国間通貨協力などのメカニズムを推進する必要がある。これと同時に、アジア地域に存在する歴史、文化、政治、経済、発展レベルの相違を直視し、長期的な視点をもって、段階的に協力を推進していくことも必要だ。
日本の財務省国際局の山崎達雄次長はスピーチの中で、アジア債券市場の育成で可能な道を重点的に紹介するとともに、アジア企業債の信用保証機関や投資機関を設立することを提起した。また南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国に中国、日本、韓国を加えた「10+3」の枠組内での国境を越えた債券取引を促進するために、官民が一体となった債券市場のフォーラムを設立し、各国政府の規定と市場の慣例を調整することも提起した。
このほかのスピーチでは人民元の国際化、アジアの単一通貨の展望、外貨準備のバランス、米ドルの地位、ユーロ危機といった幅広い議題も取り上げられ、参加者とともに深いレベルでの議論が展開された。
「人民網日本語版」2010年12月8日