第12次五カ年計画(2011-15年、十二五)が始める2011年に、中国経済という巨船はどのように波をかき分けて進むだろうか。経済成長率、物価、不動産価格はどうなるだろうか。所得分配、個人所得税、不動産税をめぐる改革は実質的な進展を遂げられるだろうか。戦略的新興産業はどのように発展するだろうか。このような問いを踏まえて、来年のマクロ経済をめぐる10項目の予測を立ててみた。「中国証券報」が伝えた。
(1)経済成長率は9%前後
2011年の中国経済は急速な発展を維持し、国内総生産(GDP)の増加率は9%前後に達する見込みだ。三大需要をみると、消費は継続的で安定的な伸びを維持するとみられる。価格上昇要因をみると、消費財小売総額の実質増加率は前年よりやや低下する見込みだ。2010年以降、対外貿易の急成長ぶりが予測を超えており、2011年の輸出増加率は前年よりやや鈍化するとみられる。固定資産投資をみると、インフラ建設投資のピーク期は去りつつあるが、十二五スタートの年として、2011年は固定資産投資が引き続き20%前後の増加率を維持するものと予想される。
全体的にみて、2011年の経済成長率は比較の対象となる今年の数値の影響により、前低後高の様相を呈するとみられる。2011年通年の成長率は9%前後に達し、潜在的な経済成長ペースの合理的な範囲に引き続き収まる見込みだ。
(2)CPIは穏やかに上昇
圧倒的多数の工業製品が引き続き供給過剰で、経済ニーズに目立った加熱ぶりがみられないという状況にあって、2011年の中国に悪性のインフレが発生する可能性は大きくない。だが2つの要因により、2011年の物価上昇幅は2010年を上回る可能性が高い。一つは残存効果で、ここ数カ月の物価は前月比で継続的に上昇しており、11月末現在、残存効果が2011年の物価上昇に与える影響は約4ポイントに達している。2011年の残存効果はこれより高くなり、物価調整を一層難しくすると予想される。もう一つは最近の物価上昇を推進した要因がなお存在していることで、輸入型インフレの影響が引き続き顕在化する可能性があり、国内の労働力コストの上昇がきわどいバランスを保つ農産品価格を押し上げる可能性があり、コストに推進される価格上昇の圧力が引き続き存在している。
穏やかな通貨政策や一連の価格調整措置により、2011年の消費者物価指数(CPI)上昇幅は4-5%になるとみられる。2011年の第四半期(10-12月)には残存効果が消滅し、物価上昇幅は適度に鈍化することが予想される。