2010年には国内経済が力強い成長を遂げたものの、A株市場は大した恩恵を受けることもなく、かえって世界で最も不調な株式市場の一つとなった。12月25日の終値をみると、A株市場は通年で11.75%値下がりして、世界で2番目に値下がりした市場になった。「人民日報」海外版が伝えた。
これと同時に、A株市場は資金調達額では世界一の栄冠に輝いた。12月16日現在、A株市場での新規株式公開(IPO)と追加売り出し分による資金調達額は9346億4400万元に達し、経費を除いた実際の調達額は9105億7100万元に上った。ここには年末2週間の営業日における調達額は含まれていない。
年初を振り返ると、2009年のA株市場の力強い反発を受けて、各方面は2010年のA株市場の前途に大きな期待を寄せた。だが現実は投資家たちに打撃を与えるものだった。株式市場は経済のバロメーターとされる。2010年の中国経済はほかのどの国よりも好調で、第1-3四半期(1-9月)の国内総生産(GDP)は前年同期比10.6%増加し、GDP成長率は2四半期連続で日本を抜き、中国は世界2位の経済体となった。だが中国の株式市場は実体経済の状況に反して不調だった。これはどうしてなのだろうか。
今年のA株が世界で最も不調だった原因を探れば、A株市場が名実ともに「資金調達のための市場」だったことが主な原因といえる。2010年に入って以来、新株発行のペースが速まり、中小企業ボードや創業ボードでは毎週新株が大量に発行され、大型株も一層の動きをみせようとした。その一方で、追加売り出しの規模が拡大を続け、いくつかの大手銀行は相次いで巨額の資金再調達計画を実施し、一連の上場企業も次々とこれにならい、目を見張るような資金調達ブームが起きた。それだけでなく、非流通株、売却制限付き株式、高級管理職の株の売却などが市場の「血液」を絶えず絞り上げることになった。こうした背景の下で、A株市場が世界で最も不調だったことは、株式市場での資金調達の不満に対する投資家の強烈な反応であり、株式制度改革の後、中国株式市場が草刈り場のようになり、一部の上場企業には「資金調達への飢餓状態」といった深刻な深層レベルの問題が生じ、これが根本的に解決されないどころか、かえって勢いが激しさを増していることの反映だといえる。