世界銀行は5日、同行初の人民元建て債券を14日から香港で発行すると発表した。今年に入って香港で元建て債が発行されるは初めて。世界銀行グローバル資本市場の責任者ドリス・ヘレラポル氏は元建て債の発行について、世界銀行にとって画期的意義があり、元市場の成長を支援する姿勢の現れでもある、との見方を示している。中国紙、国際金融報が伝えた。
人民元のオフショア市場を拡充
世界銀行がまもなく香港で発行する初の元建て債は2年物で計5億元(約円)。利率は0.95%で、半年ごとに支払われ、香港で発行された元建て2年債としては過去最低の水準となった。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)が昨年12月に発行した元建て2年債2億元(約63億円)の利率は1.45%、中国財政部が昨年11月に発行した2年債30億元(約380億円)は1.6%だった。
香港の人民元市場は2010年、急成長をみせ、多くの金融機関や外資系企業がこぞって元建て債を発行した。昨年、アジア開発銀行(ADB)が香港で利率2.85%の元建て10年債12億元(約150億円)を発行しており、国際組織が香港で元建て債を発行するのは今回で2回目。