税関総署が10日に発表したデータによると、中国の昨年の輸出入総額は前年比34.7%増の2兆9727億6千万ドル、貿易黒字は同6.4%減の1831億ドルとなった。税関総署統計司の鄭躍声司長は、中国の対外貿易がすでに金融危機以前の水準にまで回復したとの見方を示す。
▽昨年12月の輸出入額はそれぞれ史上最高を記録
税関の統計によると、2010年12月期の中国の輸出入額は、前年比21.4%増の2952億2千万ドルとなった。うち、輸出額は17.9%増の1541億5千万ドル、輸入は25.6%増の1410億7千万ドルだった。同月、輸出額、輸入額はともに史上最高を記録した。
昨年1月から11月までの中国の輸出入総額は、すでに史上最高だった2008年の2兆5600億ドルを上回った。昨年通年を2008年と比べると、輸出入総額、輸出額、輸入額はそれぞれ15.9%増、10.3%増、23.1%増となっている。
▽対外貿易発展はバランスが取れた方向へ 貿易黒字は6.4%減
税関の統計によると、中国の昨年の貿易黒字は前年比6.4%減の1831億ドルだった。中国の対外貿易は、よりバランスが取れた方向へ発展している。中国の昨年の対外貿易におけるもう一つの特徴は、新興市場との貿易が急速に発展し、市場の多元化がさらにはっきりしてきたことだ。うち、ASEANとの貿易総額は37.5%増の2927億8千万ドルに達し、中日の貿易総額2977億7千万ドルに接近した。
鄭司長は、「中国の対外貿易黒字は2008年に過去最高の2981億ドルを達成した後、2009年には34.3%減少し、2010年にさらに6.4%減少した。貿易黒字が輸出入総額に占める割合は、2008年の11.6%から2010年には6.2%に下がり、対外貿易は全体的にバランスの取れた方向に向かって発展しつつある」と述べる。
税関の統計によると昨年、中国の一般貿易輸出入額は1兆4887億1千万ドルで39.9%増となり、同年の輸出入額の増加スピードを5.2ポイント上回った。一般貿易の赤字は472億5千万ドルで、2009年の10.5倍となっている。このことが、中国の貿易黒字拡大の勢いをある程度抑えたと言える。
あるアナリストは、「米国や日本などによる通貨政策の緩和で、将来的に主な大口商品の価格が上昇するだろう。これにより、中国の輸入額も引き続き高いレベルで推移すると見られ、1カ月あたりの貿易黒字が再び200億ドルを超える可能性は小さいだろう」と指摘する。