デジタル配信や経済情勢の影響を受け、ソニーは昨年10月のポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」生産停止に続き、米国のニュージャージー州にあるCD生産工場を3月31日に閉鎖すると発表した。この工場はソニーの生産工場の中で最大の生産量を誇っていた。
実際のところ、ソニーによるCD工場の閉鎖はレコード産業を取り巻く環境の変化の縮図にすぎない。
あるデータによると、2009年上半期、世界のCD売上は2008年の1.364億枚から18%減の1.103億枚となった。最新のデータはないが、CD業界の衰退はもはや食い止めようがないといえる。2009年3月、英国大手CDショップのヴァージン・メガストアはニューヨークにあるタイムズスクウェア店を閉店、その後、同社はアメリカにある他の5店舗も次々と閉店した。世界第二位の規模をもつ日本およびアジアで「韓流旋風」を巻き起こした韓国も、同じようにレコード凋落の運命から逃れられそうにない。