中国の2010年末の外貨準備高は2兆8473億ドルとなり、過去最高を更新した。中国の外貨準備高は絶えず増えており、これにより発生している一連の問題は、社会各界の注目を集め、議論の的になっている。同じように巨額の外貨準備を保有する日本の外貨準備の管理方法と経験を学ぶことは、中国にとって非常に意味のあることだろう。
日本の2010年末の外貨準備高は1兆0961億8500万ドルで、中国に次ぎ世界2位であった。この巨額の外貨準備が日本経済にマイナス影響を与えることはなく、かえって良好な投資回収をもたらしている。これは、日本が面している国内外の経済・政策環境にも関係しているが、もっと重要なのは、日本には、万全な外貨準備管理体制が存在するからである。
日本の外貨準備管理体制
日本では、外貨準備の通貨を直接保有し、管理しているのは財務省である。日本の外貨準備資産は、主に財務省が所有する証券と預金の形で存在する。一方、通貨の発行と通貨政策の執行を担うのは、中央銀行である日本銀行だ。日本銀行は、「政府の銀行」として政府機関の金融資金事項を処理すると同時に、外貨に関する事務においては財務省の代理人を務め、必要なときには外貨を売買して市場に介入し、市場の安定をはかる。
財務省は日本銀行の外貨準備管理に対し、「外貨資産の安全性と流動性を保持しながら、可能な限り利益を追求する」という原則を遵守するよう規定している。国内資源がきわめて欠乏している日本は、外貨準備の一部を、石油や鉱産物、レアメタルなどの戦略的資源の備蓄へと転化している。
日本の外貨準備のリスク管理体制は、主に厳格なリスクコントロールと万全な法律制度からなる。財務省の関係規定によれば、日本銀行は準備資産の信用リスク、流動性リスク及び金利リスクに対し厳しい管理を行い、かつ、内部モデル方式によって定期的に厳格なリスクコントロールを行わなければならない。また、外貨準備関連の法律制度も整っている。1949年のドッジ・ライン以降、『外国為替法』や『外国為替資金特別会計法』が制定され、「外国為替資金特別会計」を代表とする外貨準備管理体制が形成されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月17日