戦略的資源備蓄制度の制定
日本は資源が非常に欠乏している国であるが、官民一体の万全な戦略的資源備蓄制度を構築しているため、その経済発展に資源不足による制約を受けることはない。石油の戦略的備蓄は184日分に達し、国際標準評価では「非常に安全」レベルである。レアメタルの備蓄は60日分だ。その経験は、中国が参考にするに値する。
中国にはまだ戦略的資源の備蓄に関する十分な法律制度がなく、これに関係する有力な政策決定機関や調整機関もない。そのため、多くの企業は海外で資源会社を買収する際、「それぞれが勝手に戦っている」段階なのだ。戦略的資源備蓄制度がないために、中国の企業は「互いに争い合う」しかなく、その過程でエネルギーや鉱産物の輸入価格は高くなる。しかも中国の大量輸入は世界から制限を受けやすく、国民経済の長期・安定発展は制約される。
よって、中国は早急に戦略的資源備蓄制度を制定する必要がある。全国政治協商会議の張紅力委員は、政府は外貨準備の一部を海外エネルギー探査開発特別基金の設立に充て、石油や非鉄金属等の重要な戦略的資源の備蓄に用いたり、外貨準備の一部を国有企業に売ったり貸したりして、国有企業による海外のエネルギーや大口商品の購入及び関係企業の買収を奨励すべきだと提案している。こうすることで、国際市場や経済サイクルの変動に基づき、大口商品の価格が下落したときに戦略的資源を大量に輸入することが可能になり、経済発展を制約するエネルギーや資源のボトルネック問題を比較的低いコストで軽減することができるのだ。また、外貨準備の一部を資源の備蓄に転化し、外貨準備の多様な投資ルートを開拓し、米国国債の購入量を減らして予見できる将来のドル安による損失を回避することは、外貨準備の価値の保持・上昇に有益である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月17日