その一、通貨緩和、財政引締めにより、欧米主要国の経済は穏やかに回復、世界経済が再び底を打つ可能性は低い。
その二、現在、欧米の製造業の遊休生産能力は依然として高く、先進国がデフレに対抗、新興市場国がインフレを抑制する中で、世界が2008年上半期のような悪性インフレに陥る可能性は低い。そのため、新興市場国のマクロ政策緊縮がハードランディングを引き起こすリスクは比較的抑制される。
その三、アメリカ2011年のGDP成長率は2.5%を維持できる見込みだが、失業率低下にはつながらない。そして、欧州中央銀行はPIIGS債務問題を解消するために、今後も国債購入の規模を拡大すると見られる。したがって、年内にG3経済体の金利引き上げや量的通貨超緩和政策転換の可能性は低い。
その四、株式市場が前年強く反発したことで、2010年海外市場は全体的に5~10%の伸び幅があると見られ、これによるキャピタルゲインが消費刺激に対して積極的な作用を与える。また、S&P500企業の利益は約30%増加、バランスシート修復により将来的な資本支出が拡大され、雇用意欲も強まると見られる。