以上の状況からみて、緊縮型のマクロコントロール政策は、コストプッシュ型のインフレには効果がない、とリ氏は指摘する。「マクロの引き締め政策は、原材料の不足、農産物価格の上昇、労働力コストの上昇を解決できない。不動産価格と地価の上昇には一定の抑制効果がみられるだろうが、全体的な水準がすでに上昇してしまっている」
リ氏は、中国の経済規模の拡大と物価の上昇に伴い、労働者の賃金基準を徐々に高め、低労働力コストの時代に終止符を打つべきだ、との見方を示す。国家の政策レベルからいえば、賃金水準の適度な引き上げは、国民所得に占める労働所得の割合を増やすことにつながるという。
物価上昇への対応策について、リ氏は、経済発展パターンの転換や自主イノベーション、産業のレベルアップ、技術の進歩、人材資源の構造調整に積極的に取り組み、中国を工業強国、人材資源強国へと次第に育て上げることが求められる、と指摘した。
「人民網日本語版」2011年1月18日