人民元/ドル為替チャート
中国人民銀行が19日に設定した人民元の対米ドル基準値は最高値を更新した。これにより、中国政府は人民元の対ドルレートを上昇し続けるとの観測が強まり、ドルのさらなる下落をもたらことになると見られている。
野村信託銀行のシニア為替ディーラー、網倉秀樹氏は、「胡錦涛主席の訪米は、市場に変化が生じた時期と重なり、より多くの人がドルは下落し続けると予測している」と話す。
人民元が10年内に米ドルに代わる可能性も
人民元が準備通貨になることに関する議論がこのごろ盛んに行われている。ノーベル経済学賞受賞者で「ユーロの父」と呼ばれるロバート・マンデル氏は先般、人民元は近く地域通貨になり、その後に国際通貨に発展するとの見方を示した。
マンデル氏は、「人民元は10年後に米ドルに代わり世界最大の準備通貨になり、2030年に中国が米国に代わり世界最大の経済国になる可能性もある」と述べている。
金融危機の発生後、ドル、ユーロ、円などの国際通貨は激しく変動したが、人民元は堅調な動きを示し、人民元の国際化の積極的な推進に条件を作り出した。
しかし、中国の通貨当局は人民元の国際化に関する目標と具体的なタームテーブルを明確にしていない。中国の学術界では、人民元はまずアジアの主導通貨になり、地域化を通して国際化を実現すべきという考え方が主流だ。また胡錦涛主席も「人民元の国際化を実現するには長い過程が必要だ」と述べている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月20日