三、中小板(中小企業向けの株式市場)、創業板(新興企業向け市場)の株高期待が比較的普遍化。過度な投機売買やプライマリーマーケットによるプレミアム発行が、中小板、創業板の全体的な高期待状態を生み出してしまった。バブルの断続的な蓄積が最終的に大量のショートポジションの集中的な回避を招いた。そして、株の流通量は少なく、流動性が乏しいため、下落の程度が更に悪化してしまったのである。注目すべきこととしては、最近の中小板、創業板の株価の暴落や新株の下落傾向の出現などにより、プレミアム発行が収まることは決してない。プレミアム発行の状況が遅々として緩和されなければ、中小板、創業板が今後好転することは難しい。
四、複雑に目まぐるしく変化する業界の背景のもと、大型優良株は動きが鈍ってしまった。期待の角度から見ると、現段階の銀行と不動産セクターの低めの株価収益率が、ある程度の安全域と良好な投資価値を決定づけている。短期間で複雑に目まぐるしく変化する業界の背景が、一層慎重に行動させるのである。銀行セクターについて言えば、一方では、通貨引き締め政策が銀行の貸し出しを抑制するため、営業利益の減少を招く。
一方では、金融危機後、中央銀行は銀行業界のマクロ面に対する慎重な管理を徐々に強め、銀行の自己資本比率に対し、より高い要求を出す。銀行の再融資に対する市場の反感が、銀行セクターに対する注目をある程度帳消しにする。不動産セクターに関して、下がらない不動産価格は、不動産に対する厳しい制限措置が今後新たに導入されることを予期している。また、不動産業界の不透明な政策状況も自信強化の妨げとなっている。