財政危機の暗雲が依然として漂う中、欧米のぜいたく品市場は活気に満ちている。中国の旧正月「春節」(今年は2月3日)の休暇時期を間近に控え、中国人の海外ショッピング熱が高まっているからだ。メディアは、春節が中国を飛び出して世界を沸き立たせている、とセンセーショナルに報じている。中国紙、法制晩報が伝えた。
帰省する華僑、手土産に高級品
英紙デーリー・メールは、クリスマスが過ぎたと思えば、ぜいたく品を羽振りよく買っていく中国人観光客が押し寄せ、わずか数日で10億ポンド(約1300億円)をイギリスに落としていった、と驚きを交えて報道。英国ポンドに引っ掛けて「北京ポンド」という造語までつくった。
もっとも、これは中国人による買い物ラッシュの始まりでしかない。春節が近づくにつれ、帰省に備えて年越し用品を買い入れる中国人が増えつつある。スペインのセール時期を目掛け、親戚や友人への贈り物としてぜいたく品を買いあさっていくのだ。
報道によると、スペインの冬季セールは1月6日から始まっていたが、2011年の春節に帰国する中国人が年越し用品の買い入れを始めたことから、首都バルセロナには買い物ラッシュが再び押し寄せた。「免税国」と呼ばれるアンドラでは化粧品、日用品などが飛ぶように売れ、完売や品薄が相次いでいる。
地元メディアの統計によれば、バルセロナの買い物客のうち、実に70%が春節に帰国する華僑と、観光でバルセロナを訪れている中国人観光客。地元商店の買い物客のうち、3人に2人が中国人で、中にはガイド付き添いでショッピングに訪れる中国人買い物ツアー客もいるという。