張副研究員によると、中国の対外直接投資と海外からの直接投資の比率は1対1あるいはバランスのとれた段階に近づきつつあるという。
中国企業の対外直接投資は投資規模が急速に増えているだけでなく、投資分野もかなり集中している。10年上半期はシノペックが46億5000万ドルで米コノコフィリップスの保有するカナダのオイルサンド採掘業者の株式を買収したほか、16件の取引案件はいずれも採掘分野であった。
しかし、この局面も打ち破られようとしている。それを代表するのは何といっても吉利汽車(ジーリー自動車)の18億ドルでのボルボ買収だろう。また、建設機械大手の三一集団もまもなくドイツでの生産を開始する見込みで、急速に発展する中国の工業企業がいよいよヨーロッパにも攻勢をかける。
中投顧問産業研究センターの黎雪栄高級研究員によれば、発展途上国から先進国へと移行しつつある経済強国である中国は、自身特有の強みと歴史的チャンスを利用して、世界的なトップ企業を組織し、海外進出を進めており、これは中国経済の持続的かつ急速な発展のキーポイントの一つであるため、11年も中国企業の海外M&Aは高成長を維持する可能性が高いという。
専門家は、年平均30%の伸び率で計算しても、15年までに中国の年間の対外投資額は3507億ドルに達し、世界一になると分析する。