中国は世界最大の炊飯器生産国だ。巨大な生産能力が価格を急速に引き下げており、今では100元から200元の製品も珍しくない。だがここ数年、国内の消費者は国産品に目を向けず、海外ブランドの超豪華炊飯器に3千元も4千元も払い、中には7千-8千元払う人もいるという。今や海外旅行する中国人の多くが、大小さまざまなパッケージの化粧品を抱えて帰ってくるだけでなく、炊飯器を別便で家に送るのだという。超豪華炊飯器はほとんどが日本製品で、日本を旅行した観光客にこうした現象が数多くみられる。それだけでなく、インターネットの海外代理購入の世界では、日本製炊飯器を取り扱う店舗が増えているという。世界最大の炊飯器生産国に暮らす中国人消費者が、価格が何十倍も高い外国製品にこれほど熱くなるのはなぜだろうか。「北京青年報」が伝えた。
海外製炊飯器を使用したことのある消費者の多くが、「海外製品で炊いたご飯は確かにおいしい。食感が違う。栄養分もしっかり残っているそうだ」と評価し、多くの人が口コミで購入を決定するという。ある業界関係者はこうした現象に対して、実際のところ、これらの使用者は「海外製品崇拝」に陥っているわけでななく、海外の炊飯器の技術や原理が国内のほとんどの炊飯器と異なることが高い評価の原因だと話す。同関係者によると、現在、日本で流行っている超豪華炊飯器は、マイクロコンピューターチップを搭載したインテリジェント炊飯器で、ご飯を炊くときに加熱方式や温度を自動調節して、米の炊きあがりの形、うまみ、つや、食感、香りが最良になるようにコントロールするというものだ。一方、現在の中国屋内市場に流通する炊飯器のほとんどは、単純な機械式炊飯器であり、単一の方法で米を加熱して炊きあげるだけだという。
美的生活電器銷售公司市場部の王松濤総監によると、日本は世界で最も早く機械式電気炊飯器を発明した国だが、マイクロチップの登場により、わずか10年でコンピューター制御のインテリジェント炊飯器が機械式製品を駆逐してしまった。美的は1994年に同技術を日本から導入し、中国で他社に先駆けて生産をスタートしたが、広告宣伝が不十分だったため、今でも国内の炊飯器市場でインテリジェント型製品が占める割合はまだ32%に過ぎず、伝統的な機械式炊飯器がなお主流だ。ここ1-2年の間に、中国人消費者が日本製炊飯器を大量に購入するようになっており、美的は中国でも超豪華炊飯器の市場が形成されたと見なし、今後は強力なキャンペーンを行って市場をこじ開けたい考えだ。実際、美的は昨年からインテリジェント炊飯器市場に力を入れ始めており、1年間の普及活動を経て、国内の販売台数は2009年の100万台から2010年は400万台に増加した。今年の販売目標は1千万台で、前年比150%の伸びを目指すという。
「人民網日本語版」2011年2月7日