記者:海洋経済発展戦略が「十二・五(第12次五カ年計画、2011-2015年)」に盛り込まれたのは、偶然ではない。海洋経済戦略の重要性を向上させるには、長期的な計画が必要であり、これに関して、国も段階的に政策を実施することで対処しているようにみえるが。
孫志輝局長:その通り。政府は海洋経済の健全な発展を導くすべく、ここ数年、一連の政策を次々と推し進めている。
マクロ政策に関して、共産党中央委員会、国務院は以前から海洋経済に対する関心を高めている。2003年、国務院は「全国海洋経済発展計画綱要」を発表したが、これは海洋経済発展の将来についてマクロの視点から定めた中国初の文書であり、中国の海洋経済発展にとって歴史的な意味をもつ文書である。国務院は2008年にも「国家海洋事業発展計画綱要」を発表している。この2つの綱要は中国の海洋経済発展を推進する上で綱領的な性格をもつ文書であり、海洋経済に関する構想や対策について銘記している。
産業政策に関して、海洋産業の健全な発展、とりわけ新興海洋産業の発展をさらに推進すべく、国家発展開発改革委員会、国家海洋局、財政部は共同で「海水利用特別計画」を発表し、海水利用産業にプラスとなる政策環境を与えている。2009年には、海洋経済が金融危機の影響を受ける中、国務院は「船舶工業調整振興計画」など10項目の振興計画を発表し、金融危機の影響をうける中国の船舶工業に対して緊急措置と解決方法を提供した。これらの計画や政策は海洋産業の段階的な発展に重要な役割を果たした。
地域政策に関して、国務院は2006年から現在まで、10以上の沿岸地域計画を批准している。その範囲は北から南まで分布しており、具体的には、遼寧省沿岸経済ベルト、天津濱海新区、山東省黄河高効率生態経済区、江蘇省沿岸地区、長江デルタ経済区、福建省海峡西岸経済区、珠江デルタ経済区、広西省北部湾経済区、海南国際観光島である。沿岸地域の計画が国務院の承認を得れば、国家戦略として沿岸地域の経済は徐々に整備されていき、沿岸地域の開発・開放は新たな発展段階に突入することになる。