日本は早くより次世代ネットワーク「NGN」の発展に取り組んできた。NGNは通信ネットワーク、放送ネットワーク、インターネットの利点を採り入れ、従来の電話網がもつ信頼性・安定性を確保しながら、IPネットワークの柔軟性・経済性を備えた情報通信ネットワークである。現在のインターネットよりも通信速度が速く、通信品質や安全性も高い。日本政府は通信業界、放送業界、インターネット業界が相互に参入し、業務を拡張することを奨励している。このようにして、日本はハード技術の面で、「三網融合」の基盤を築いてきた。
また、日本は「三網融合」を一気に発展させようとせず、発展戦略を2段階(「e-Japan戦略I」「e-Japan戦略Ⅱ」)に分けて、段階的に発展を推進した。
「e-Japan戦略I」では、放送ネットワークと通信ネットワークの融合を推進。2001年、IT戦略本部会議で、衛星放送やケーブルテレビについてハードとソフトを分離した制度を導入することを決定、通信事業、放送事業の相互乗り入れ、兼営は自由との決定を打ち出した。会議ではさらに、インターネットコンテンツについて、通信事業、放送事業の間で相互利用することも自由との決定が採択された。「三網融合」はまさにここから始まったといえよう。「e-Japan戦略Ⅱ」では、ユビキタスネットワーク社会の構築、医療のオンライン化、電子商取引や電子政府の普及などが打ち出された。