中国のOFDIに対する恐怖は、数十年前に人々が抱いた日本と韓国による投資への恐怖と同じで杞憂である。中国のOFDIは中国とホスト国にとって有益である。中国のFDIはすべてのFDIと同様、ホスト国に対し経済発展に必要となる利益をもたらす。そのほか、中国にとってOFDIは、世界に溶け込み、責任ある利益関係者となる重要なメカニズムとなる。
しかし、中国企業は、他の新興グローバル企業が過去に犯した失敗の中から、如何にして複雑に入り組んだ先進国と発展途上国において運営を行うかを学ぶ必要がある。国外市場で子会社を設立する際に、どのグローバル企業でも直面する「異国の法責任」問題を克服するだけでなく、「母国の法責任」をも克服しなければならない。
特に、ホスト国から積極的な経済貢献者とみなされ、良好な企業として評価されるためには、企業ブランドを確立しなければならない。中国政府はすべての中国企業の海外投資に関する規範を制定しているが、その規範は国際的に公認された準則および持続可能なFDIへの配慮と一致している。また、ホスト国にとって重要なことは、新製品を受け入れ、中国投資を排除せず、如何なる障壁をも設けないことである。(作者:コロンビア大学持続可能投資センター Karl P. Sauvant Ken Davies)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月20日