港珠澳大橋の設計図案
香港メディアの報道によると、全長12キロメートル、工事費100億香港ドルに上る香港・珠海・マカオ大橋の香港部分だが、東涌に住む66歳の女性が法に訴えたことにより、建設が中断したという。
66歳の朱綺華さんは香港東涌の富東村に住む。ここは香港新界地区のランタオ島北部に位置し、香港開発の9番目の新都市であり、橋の建設地域だった。
2009年10月に香港環境保護署に認可された橋の建設地域である香港側と接続地域に関する環境アセスメントに対し、朱さんは2010年1月、高等裁判所に再審理を行うよう求めた。
今年3月から再審が始まり、4月18日午後、朱さんは判決を手にした。香港高等裁判所は正式に環境保護署が認可した報告書を無効とする決定を下した。この判決により、年内に着工する予定だった香港・珠海・マカオ大橋の香港部分の工事は延期される可能性が高い。
香港政府の今後の対応に人々の注目が集まった。4月19日、香港の運輸・不動産局の鄭汝樺氏は、「裁判所の判決を分析してから対応を考える。法の定める手順に従い、プロジェクトの遅れをできる限り最小限に止め、予定されている2016年に香港部分の工事を完成させられるように努めたい」と述べた。
しかし、業界関係者は、政府には二つの選択肢しかないと指摘する。一つは裁判所が指摘する問題部分に対し、もう一度改めて基準に即した環境調査を行い、環境保護署の認可を得ること。もう一つは、裁判所の決定に対して上訴することだ。新たに環境調査を行ってから、環境保護署の許可書を得るにはおよそ半年から1年かかると思われる。仮に上訴して、最終的に香港の終審裁判所まで訴えるとしても、数ヶ月はかかるだろう。
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