中国人民銀行(中央銀行)のデーターによると、今年3月現在、中国の外貨準備高は既に3兆米ドルを超えた。そのため中央銀行のインフレ懸念は強まり、「金融政策が外貨準備高の影響を受け、政策自体の独立性が失われている」と中央銀行の関係者はお手上げ状態だ。
もっと深刻なのは、中央銀行がずっと大規模なリスクヘッジを行っているにもかかわらず、インフレ懸念や市場の流動性は未だに緩和が見られず、不動産業界を含むバブル化が発生しており、インフレ指標は高い水準になっているということだ。
外貨準備高 金融政策に影響
対外経済貿易大学金融学院の丁志傑院長は、「国際収支が黒字を維持し、強制的な外貨売買システムにより、外貨準備高の増加は貨幣の受動的投入の主要ルートになっている。これにより、マクロコントロールの難易度は高まるのだ」と指摘。中央銀行は公開市場操作を実施し、準備金利の調整などを行ったが、状況を変えることはできなかった。これらのバブル化した資金は、不動産市場に流入しなくとも、他の市場へ流入する。
投資ルートの拡大で外貨準備高の増加を緩和
中国の70%近い資本輸出が政府による外貨準備高の運用である。国家外貨管理局国際部の管濤部長は、「外貨準備高という方法で資本輸出を行うのは、リスク管理を集中するのに良いが、市場の容量は限界があるため、投資リスクが過剰に集中し、投資利益が低くなるなどの問題を招く」と指摘。
そのため、管部長は、「投資ルートと投資主体を拡大し、バランスの取れた資本勘定の開放を行い、今後、人民元の資本収支が両替できるポイントとなるべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月27日