中国は元々、石炭を主要なエネルギー資源として用いていたが、国際的に気候変化が問題になったことで、エネルギーの生産・利用方法の改革を全面的に推進、エネルギー発展方式の転換を加速し、二酸化炭素の排出削減に努めるようになった。これはすでに中国の国家エネルギー戦略となっており、決して変わることはない。
しかし、原子力発電が短期間のうちに中国におけるエネルギー供給の主流になることは不可能である。中国経済は工業化が急ピッチで進められており、大量のエネルギーが必要となっている。エネルギーを大量に消費する工業は往々にして中国の基幹産業であり、経済を発展させ、人々の生活水準を引き上げるためには、これら基幹作業に頼ることが不可欠である。したがって、経済発展が継続する期間中は、伝統の化石エネルギー、特に石炭と石油が主要なエネルギー資源であり続けると考えられる。また、今後、天然ガスが急成長し、新エネルギーと再生可能エネルギーも増加傾向を継続するとみられるが、それにより化石エネルギーの地位が揺らぐことはない。