このたびの東日本大震災とそれに続く津波、原子力発電所の放射性物質漏洩事故などにより、日本周辺の海洋環境や漁業生産は深刻な打撃を受けている。長年に渡り、中国と日本はいずれも水産品の生産大国であり、貿易往来も常に頻繁に行われてきた。日本の隣国である中国の海洋漁業経済は、この度の放射能事故により一体どのような影響を受けるだろうか。この問題について専門家に取材した。「人民日報」海外版が伝えた。
▽放射性物質を含む汚染水は中国には流れてこない
上海市水産学会と上海市漁業経済研究会はこのほど、海洋漁労、漁業資源、食品加工、漁業行政管理などの専門家15人を招いて共同シンポジウムを行った。出席した専門家たちは、中国の東海、黄海は西太平洋の一番端に位置し、西太平洋とは日本列島、琉球諸島、台湾島、フィリピンなどで遮られて、半閉鎖的な海となっており、東海と黄海の海水の魚類やエビ類が汚染されることはないとの見方で一致した。
上海海洋大学の楽美竜教授は、日本の放射性物質を含む汚染水は日本の東部沿海に流れ込んでおり、この水域の主な海流は黒潮だ。海流という角度から考えると、福島第一原子力発電所から漏洩あるいは排出された放射性物質を含む汚染水は、主に黒潮によって太平洋の北西部や北東部に拡散する。よって汚染水は東海や黄海に流入することはあり得ず、中国の東海?黄海海域や漁業資源に影響を与えることもあり得ないという。