CFIUS審査の秘密
投資を考えている中国企業にとって、CFIUSの審査は非常に恐ろしい存在である。最近の事例を挙げれば、2007年、中国の華為技術 (Huawei)が米国ネットワーク機器メーカーの3comを買収しようとしたところ、CFIUSにより却下された。華為は今年も、米国ハイテク企業3Leafの買収を「自主放棄」させられた。
これまでに行われた中国海洋石油有限公司による米国の大手石油会社ユノカルの買収、聯想(レノボ)によるIBMの買収など中国企業による一連の海外進出の陰には、CFIUSの存在があった。
対米国投資に詳しい中倫弁護士事務所買収・合併担当の程軍弁護士はインタビューで、対外開放度の高い多くの国はみな、投資の安全に関する審査制度を完備していると述べた。その中には米国のCFIUSも含まれる。米国財務省に属するCFIUSは国防省、商務省など16の機関から構成される政府内部の合同機関であり、米国の企業や機関に対する海外からの投資の安全性を審査する。
程軍氏は、「米国政府は、ある分野、例えば、家電産業など伝統の製造業に対する審査はある程度改善したが、ハイテク分野、特にエネルギー分野に関しては、中国企業との提携を恐れ、圧力をかけ続けている」と指摘した。
上述の報告では、米国両党は中国に対し対米投資を歓迎する旨の情報を発し、また、連邦政府は統一したメカニズムを形成し、中国の対米直接投資を奨励、米国のニーズに合った投資の確保をすべきだと提議された。