第3回中米戦略・経済対話が今月9日から10日かけて、米国の首都ワシントンで開催される。この対話メカニズムは2009年にスタートし、09年7月に行われた第1回対話と10年5月の第2回対話は、それぞれ成功裏に幕を閉じた。「国際金融報」が伝えた。
今回の対話の正式な議題と具体的な議事日程はまだ発表されていないが、あるアナリストは、前2回の基本的な路線、中米関係の現在の特徴、グローバルな側面からみた情勢の変化などを踏まえて、今回は米国に主権債務の信用の保護を促すことや、中国の貿易黒字の真の原因や人民元レート問題を解析することなどが「ヤマ場」になるとの見方を示す。
▽予測される議題1:米国に主権債務の信用の保護を促す
4月30日現在、米国の公的債務残高は14兆2800億ドルで、2010年の国内総生産(GDP)の14兆6578万ドルの97.5%にあたり、米国は世界で最も債務負担の深刻な国となっている。また米連邦政府の財政赤字は今年上半期に8300億ドルに達し、年率換算ではGDPの10.7%に相当することになり、国際的な警戒ラインの3%を大きく上回る。
米国財務省が先月30日に発表した最新の報告によると、10年6月30日現在、中国は米国債の世界最大の保有国で1兆6110億ドルを保有し、うち長期国債が1兆1100億ドルに上る。また中国の外貨準備は3兆ドルを超えている。こうしたことから、中国が米国最大の債権者であることがわかる。
米国で量的緩和政策がうち出されたり、米ドルが下落したりと事態が変化する中で、中国のインフレ問題が一層深刻になることは確実だ。米国側は、中国のインフレ問題が深刻な政治問題となる前に、中国経済がインフレによって硬着陸することを望んでいる。硬着陸すれば国際商品価格が低下し、米国のインフレ圧力が緩和されるからだ。よって、中国のインフレが中国経済を危機に陥れるほど悪化しなければ、米連邦準備制度理事会(FRB)がうち出した通貨緩和政策はこれからも継続するものと予想される。
*筆者は新華社世界問題研究センターの孫時聯研究員と中国国際貿易学会中米戦略・経済研究センターの何偉文主任。
「人民網日本語版」2011年5月7日