日本経済産業省は4月26日、「東日本大震災後の産業実態緊急調査」と「サプライチェーンへの影響調査」を発表した。調査対象は東北および北関東に拠点を置く80社(製造業55社、小売・サービス業25社)。製造業に関して、被災した生産拠点の64%が既に復旧済み、26%が3カ月以内に復旧する見込みだという。
復旧時期に関して、3%の企業が「半年から1年以内」、7%が「分からない」と答えた。言い換えれば、10%の企業が依然として、復旧の見通しが立っていないということである。
被災地の製造業の9割が3カ月以内に復旧すると回答したが、日本の製造業の9割が完全に復旧するというわけではない。残りの1割の企業が生産する主要部品・素材の生産が復旧しない場合、その影響はサプライヤーチェーン全体に波及する。例えば、車載用マイコンチップで世界40%のシェアをもつルネサスエレクトロニクス株式会社の那珂工場(茨城県ひたちなか市)が被災したことで、世界の自動車メーカーが減産に追い込まれた。これは典型的な例である。