報告は、2013年に需給バランスがとれ、その後に供給が需要を上回り、2013年から2015年にかけて供給に余裕がある軽レアアースなどの一部レアアースの価格は下がるとしている。
この見方は、現在のレアアース市場は繁栄しすぎているという一部の市場参加者と一致している。欧州のあるレアアーストレーダーは、セリウムやランタンといったレアアースは間違いなく供給過剰になるとの見方を示し、「価格が高すぎるため、多くの人はすぐに代替品を探し始め、これには1年から2年がかかるが、別のものをレアアースの代わりにできる。たとえば、ガラス業界は昨年、セレンをセリウムの代わりに使った。セリウムの価格は2009年の1キロ3.88ドルから現在は135ドルまで上昇している」と話した。
さらに別のアナリストは、新しいレアアースプロジェクトの稼動に伴い、価格は平均水準まで下がると見ている。価格が高騰し続ければ、大型鉱床が開発され、価格の下落傾向はいっそう強まる。グリーンランド・ミネラルズ・アンド・エナジーが行うKvanefjeldウラン・レアアース・プロジェクトを例にすると、この鉱床の埋蔵量は米国のマウンテンパス鉱山と豪州のマウント・ウェルド鉱山の合計を上回るが、北極圏の南の孤立した山にある。
レアアースのコンサルティング会社、豪インダストリアル・ミネラルコーポレーションの常務取締役ダッドリー・キングスノース氏は、「これらの新しい鉱床で生産が始まれば価格は下がる。保有会社が15から20倍の割り増しを続ければ、もっと多くのライバルが現れるため、現実と向き合わないわけにはいかない」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月10日