メイヤー氏の分析によると、中国改革開放から30年の「龍の覚醒」は実際のところ、非常に「脆弱」であるという。中国の成長は、過去そして現在においてバランスを著しく崩した金融・貿易システムによるものが大きく、長期的に続かない。中国経済発展モデルの中心であるエネルギーや資源の優位性も長続きはせず、また、中国には他国よりも深刻な社会の不平等、環境の悪化などの問題が存在する。一方、中国とは逆に、日本はエネルギー、資源、市場の外部依存が異常に高い。以上のことから分かるように、「強大だが脆弱」という形容が両国にはぴったりである。日中経済成長の「奇跡」の裏には、「強大だが脆弱」という共通点がある。
メイヤー教授によると、中国の目標は「富裕で強大な国家」を築くことであるが、これは日本が1868年の「明治維新」時に掲げた目標と一致している。「明治維新」により、日本は世界の強国となった。現在、両国の立場には変化が現れている。日本は依然としてアジアの絶対的な経済リーダーであるが、憲法の制約により、中国のもつある種の戦略を採用できないでいる。中国が経済上の差を埋め、世界強国になるべく尽力しているのに対し、日本は「正常化」を通して、アジアならびに世界における地位を固めようとしている。
中国の「富裕」と日本の「正常化」。この言葉の裏には、強大な国を築こうと追求する考えが隠されているが、一体、日中両国は今後のアジア経済、アジアの構造にどのような影響を与えるのだろうか?真のパートナーシップを築き、リーダーの立場を共有することで、アジアの繁栄と安定を図るというのは現実的ではないのだろうか?それとも、このような結論を下すのはまだ時期尚早なのだろうか?