電力需要面では、中国経済の安定した比較的速い成長に伴い、電力需要は引き続き増加し、国家エネルギー局は、年間電力使用量は4・61―4・69兆キロ㍗時に達し、昨年よりも10―12%増加すると予測している。しかし投資・融資の伸び率の低下、産業構造の調整、省エネ・排出削減、有効な電力供給能力の相対的不足や、前年同期の基数の影響を受けて、第2、3四半期の使用電力の伸び率は年間(予測)伸び率よりやや低めあるいは基本的に同水準を維持するが、第4四半期の伸び率は年間予測水準を超えるかもしれない。
今年第1四半期、市場の発電用石炭価格の高値が続き、電力価格の形成メカニズムが長期間正常化されず、火力発電の赤字が引き続き拡大したため、発電企業の債務返済能力低下を招き、資金調達の難度が高まり、電力企業が火力発電所を拡張する意欲が月を追うごとに低下した。第2四半期に入って市場の石炭価格は持続的に上昇したが、発電用石炭の一日あたりの消費量は高いレベルを維持しており、一部の発電所で石炭価格が高すぎるため発電用石炭の供給不足を招いて、発電機が停止され、それが最近多くの省で電力不足が広がった主な原因の一つとなった。
当面、石炭価格全体は引き続き高値で推移し、同時に国際石炭価格、海上運送費の値上がりおよび年間石炭生産量の増加は限定的だという予想の影響で、石炭価格はより一層上昇のリスクに直面し、かつ電力の生産・供給と企業の収益に持続的な影響を生むだろう。
(新華網日本語=中国通信社)2011年6月5日