「3不足2高」が温州製造業を継続難に

「3不足2高」が温州製造業を継続難に。

タグ: 温州製造業,労働力不足,経営コスト,企業経営

発信時間: 2011-06-19 15:02:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「低、小、散(低級、小型、分散)」の温州製造業は数年前に既に下り坂をたどり始めたが、今年は労働力不足、経営コストの高さで、企業経営の難しさが一層際立っている。温州経済モデルの研究者は次のようにみている。「3不足2高」(「資金不足」、「電力不足」、「人で不足」と「高いコスト」、「高い税負担」を指す)が、一方で温州のローエンド製造業を容赦なく淘汰(とうた)しており、他方で温州経済モデルの変革を加速するだろう。温州の特殊な金融環境の規範化と改善を行えるならば、「脱製造業」も悪いわけではない。

温州のある中型アパレル会社の責任者葉氏は、今年は1000人の労働者を募集するつもりで、平均賃金は1800元(1元=約12円)から2500元とし、しかも会社は宿舎、食事、休暇などの従業員福利も提供していた。しかし応募したのはわずか200人足らずで、本当に残って勤務したのはたったの100人余りだった。受注をこなすために、やむなく大部分の注文を他の企業に回して加工した。葉氏は次のように語る。アパレル加工の利益率は高くはなく、数で勝負するため、労働者がいなければ生産量が上がらない。おまけに労働力コスト、原料コストは昨年に比べまた2、3割増加している。今年は無駄働きになる可能性が高いだろう。

複数の温州民営企業の経営者の分析によると、産業の西への移転に従い、ますます多くの農民工(出稼ぎ農民)が近場で働くことを選択している。温州に来る労働者数は目立って減り、しかも相当の割合の若い労働者が従来の製造業に関心を持たず、比較的高い収入を放棄してでも割合に気楽な職種を選択し、これがまた構造的な「人手不足」を引き起こしている。「人手不足」はますます厳しくなり、加えて土地のコストなど経営コストは内陸の省よるはるかに高いため、温州の一部の企業は既に内陸の省への移転を選択している。規模の比較的小さい製造企業は転換をはからなければ遅かれ早かれ市場に淘汰される。このため業界筋は、温州の地場製造業の規模は絶えず縮まると予測している。

このような判断を基に、2003年から温州の企業家は実体経済の拡大再生産に著しく自信を欠いている。以前蓄積した資本は実業から流れ出し、不動産、資源性商品の投機などに使われ、企業は依然として10年前の規模を維持している。こうした現象は研究者によって「産業の空洞化」、「脱製造業」と定義され、多くの専門家が憂慮を示している。

(新華網日本語=中国通信社) 2011年6月19日

 

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