ドイツ銀行は昨日、6月の経済研究報告を発表し、「在庫調整、信用収縮、電力不足などの影響で、中国のGDP成長率は低下すると見られるが、市場は現在、中国経済のハードランディング・リスクを誇張しすぎている。中国経済はソフトランディングする可能性が最も高いだろう」と指摘した。京華時報が伝えた。
同報告が指摘する内容は以下のとおり。
投資家が心配する中国の「ハードランディング・リスク」には、▽電力不足▽新車販売の鈍化▽PMIの低下▽不動産市場の下落▽通貨政策の緊縮--の5つが挙げられる。しかし、これらのリスクは多くが短期的なもので、夏以降は影響がなくなるだろう。しかもこれらのリスクが経済に与える影響は市場が心配するほど制御できないものではない。中国経済はソフトランディングする可能性が最も高い。
中国の現在の電力不足は史上最悪の状況からは程遠く、経済に及ぼす影響は0.3%以下と見られる。PMIは下がりつつあるが、非製造業PMIは61.9ポイントと依然として高く、両者の加重平均は56.8と、過去の平均水準である54.4を大きく上回っている。
また、車両購置税の優遇政策がなくなっても、自動車販売台数の増加が抑制されるのは短期間の間だ。中国人の自動車保有量は依然として世界平均レベルを下回っており、需要は大きい。今年の後半には自動車販売台数の伸びが10%まで回復するだろう。
不動産は中国政府にとって非常に重要なポイントであるため、政府が不動産市場を大きく値崩れさせることはないだろう。不動産市場に少しでも崩壊の兆しが見られれば、政策が直ちに緩和されるだろう。
中国の中央銀行は緊縮的な通貨政策を断固として実施しているが、中国の真の政策決定者は中央銀行でなく、国務院、発展改革委員会などの部門だ。現在各地から「政策が緊縮的すぎる」との声が上がっている。これらの声や、各政策報告が打ち出されるに伴い、第3四半期には通貨政策がより「ニュートラル」な方向に改正されると思われる。
「人民網日本語版」2011年6月20日