中国のスーパーコンピュータ技術は遅れて発展し、ここ数年で急激に追い上げたと言うべきだろう。2010年11月のトップ500で、国防科学技術大学が開発した「天河一号」と中国社会科学院計算所が開発した「星雲」はそれぞれ1位と3位にランクインした。今回のトップ500で「天河一号」と「星雲」はともに順位を1つずつ落としたが、ランクインしたスーパーコンピュータの台数は前回の41台から62台に、半年で21台増加した。そのため、今回1位を逃したことにうろたえる必要はない。
しかし、その差にも注目しなければならない。製造レベルを見ると、中国は日本に劣っていないが、応用に関しては米国に大きく劣るどころか、日本や欧州より後れている。スーパーコンピュータの最大の特徴は演算速度の速さで、開発はランキングのためでも飾るためでもなく、応用するためだ。何台のスーパーコンピュータを製造し、保有するかを比べるより、応用について新しい知識を得たり価値を見出す研究をすることが重要である。
近年、中国のスーパーコンピュータの応用にはいくつかの進展が見られるが、その役割を考えるとまだ理想には及ばない。その原因の一つは、投資の不足である。多くの政府部門と企業は、実績誇示のための事業を重視しているのが現状だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年6月22日