ただ、中国国内のカラーテレビ自主ブランドが下請けを受けるというのは産業の衰退であり、業界の独創性や技術発展を考える上でデメリットが大きいとする見方もある。
しかし業界内の意見は異なる。帕勒諮詢資深の理事である羅清啓氏は次の二点を指摘する。
第一には、業界再編の流れのなか、東芝やソニーなどが製造能力を縮小し続けて下請けの比重を増やしてきた結果として、外注の増加が中国国内のカラーテレビ企業にたくさんの好機を与えることになったという点である。
第二は、中国企業が日増しに生産力を高めていることも外注を受けられる理由になっているという見方である。
中国国内のカラーテレビメーカーは多くが組み立て工場を有しており、自社ブランドの生産以上の余剰生産力がある。下請け業務は生産力を無駄にしないことが目的だが、そればかりでなく新たな利益構造を作り出せるという一面があるのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月26日