管理学の大家、大前研一氏はこのほど、2011イノベーション中国ハイレベルフォーラムで「深セン商報」の取材に応じ、「不動産バブルは中国の経済モデル転換の妨げとなっている。中国は国家イノベーション体系を通して製品の附加価値と労働生産性を高め、人民元切り上げ圧力と資産バブルのリスクに対応しなければならない」と語った。
大前氏は、以下のような見解を述べた。
中国は「苦痛」に直面
金が簡単に入ってこればイノベーションを望まないだろう。イノベーションは非常に苦しい過程だ。証券や不動産で金が稼げたら、イノベーションする必要などなくなる。過去の欧米諸国や日本と同様に、中国も人民元切り上げの「苦痛」に直面している。
為替改革後に人民元は30%近く上昇し、中国の平均不動産価格は住民の年収の80倍に相当し、日本や欧米の不動産バブル期の水準を大きく上回っている。