もちろん、急速な発展のために予知不可能なひずみも垣間見られるようになっており、例えば、先般問題になった北京市の交通渋滞問題などはその典型例であろう。自動車の販売台数が世界一になったことはいいが、交通渋滞などの「大都市病」も顕在化している。北京市当局は世界の大都市のケースをじっくり検討して打開策を講じているが、急激なモータリゼーションを前にして、公共交通システムの発展の必要性が重視され始めている。
宇宙や深海への発展も大いに必要だが、足元の国民生活の質の向上もおろそかにできない。
要するに中国は高度成長の成果を喜ぶとともに、これからは科学的発展観の実質的な学習が必要になってきている。よく語られている中国企業の海外進出も何十万人という外国の文化、法律制度、流通制度などに精通した人材を必要としている。そういうことで中国はこれまで以上に超多忙な時代に入ったと言えよう。これまでの思考で対応が難しい課題が山積しているのである。そういうことでわれわれの認識そのものも大きくグレードアップしていかなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月30日