北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道が6月30日、正式に開通した。中国の人々は同鉄道の開通に対して、かつてないほどの関心を寄せている。人民網の記者はこのほど、人々が関心を寄せている問題について、高速鉄道に詳しい拓殖大学の王曙光教授を取材した。
----日本は世界で初めて高速鉄道(新幹線)を建設した国だが、現在の運営状況はどうか。また新幹線は日本の社会・経済にどのような影響を与えたか。
「初期の新幹線は、人口が密集し産業が発達した地区間を結んだため、利用率が高く収益も望ましいものだった。特に京浜、中京、阪神の3大工業地帯を結ぶ東海道新幹線は業績が好調で、高度成長期の日本に便利な旅客輸送サービスをもたらし、観光業などサービス業を活気付けた」
「しかし1980年代に入ると、日本の新幹線建設には、地方出身の政治家が地元の支持を得るために鉄道建設を無理やり誘致する「我田引鉄」問題が生じた。最も典型的であるのは、田中角栄元総理が建設を推進した上越新幹線で、利用率が極端に低い。また長野オリンピック開催前に、政治家や地方利権の圧力を受け強行推進された新幹線建設も、同オリンピック終了後は十分に活用されていない」