----日本の新幹線が航空産業にどのような影響を与えたか。
「打撃は非常に大きい。新幹線で2時間以内の地域であれば、東京-仙台便、東京-名古屋便のように廃止される」
「ただ人口や移動する人数が多い地域では、高速鉄道ができたからといって、航空が衰退することはない。航空会社はチケットの割引(新幹線より3割以上安い)や所要時間の短縮などにより、生き残ることができる。中国では、将来的には新幹線と航空の間で競争が起こる可能性もあるが、現在は高度成長期にあり、人口が増加を続けているため、当面の間はウィンウィンの局面が続くだろう」
----中国の高速鉄道の安全性をどうみるか。
「日本国内には、中国の高速鉄道の安全性を疑問視する見方も確かにある。その根拠の一つは、スピードが速すぎること。しかし日本の新幹線のスピードが上がらない理由は、山地が多くトンネルやカーブが続くことにある。土地が平坦なフランスでは時速380キロに達している。スピードと事故発生率は正比例ではない。ただ技術的な部分ではやはり安全性のリスクが伴う。安定した運行を実現するには、導入した技術を早く自分のものにすることが重要」