----日本の新幹線の発展からどのような教訓がくみ取れるか。中国の高速鉄道の発展は日本のモデルとどう違うか。
「日本は運営側のJRが製造を半分担っており、技術を持っているため、製造側のメーカーの力が欧米などに比べると弱い。日本の鉄道技術自体はそれほど魅力的ではなく、システムも全部合わせて一つの商品になるが、信号や予約システムなど日本の強みであるシステム関連の技術はJRが握っている。しかしJRは国際感覚が欠けており、海外事業の経験がないため、一流の技術を持っているのに、国際化の波に乗り遅れた」
「一方、中国はドイツのシーメンスの技術をそのまま取り入れてから、スピードを格段に上げており、輸出産業を育成するという意味では、正しいやり方をしている。しかし鉄道の発展というのは、地域間の移動にかかる時間を縮めるだけでなく、鉄道の輸送能力を増やすことがより重要。『速ければいい』『単に出発駅から終着点に早く着けばいい』というだけではなくて、それに乗る前と乗った後の乗り継ぎも一連の問題として考えるべき」
「日本の新幹線は、鉄道網全体に組み込まれ、新幹線の駅が在来線の主要駅の中に設けられており、新幹線から在来線に直接乗り換えられる。東京駅のチケット売り場で、在来線の駅までの乗り継ぎチケットを購入することができる。首都圏の最寄駅から出発して新幹線に乗り、大阪駅に到着してさらに在来線に乗り継ぐ過程で駅を出る必要はない。これに対し、中国の高速鉄道は鉄道網から独立しており、高速鉄道で北京から杭州に行こうとすれば、上海で駅を出て一般鉄道に乗り換えなければならない」