日本政府が中国国民を対象にマルチビザを発給すると決定したのは、正しい選択であり、時宜にかなった選択だといえる。これは沖縄県の観光業者を含む両国各界有識者の共同の努力の成果だ。今回の新措置は21世紀の中日両国の国情の変化に合致し、両国の共通の利益に合致し、両国国民の共通の希望に沿うものだ。この措置の直接の受益者は日本を訪れる中国人観光客だけではなく、中日両国の観光業や航空輸送業、日本の商業、ホテル・外食産業などのサービス業にとっても朗報といえる。低迷を続ける日本の不動産業も、ここから反転上昇のチャンスをつかむ可能性がある。こうしたことから、中国の発展が日本にとってはチャンスであり、脅威ではないことが十分にうかがえる。
日本が中国人観光客に期間3年のマルチビザを発給するのはよいことだが、両国の風俗習慣にはなお多くの違いがある。日本を訪れる人が増えれば、密接な交流の中で新たな問題が発生するのを防がなければならない。心ある人々は日本を訪れる人々に次のように注意を促す。列に割り込んではいけない。公共の場所で大声で騒いだり携帯電話を使用してはいけない。エスカレーターは片側を空けて乗らなければならない。温泉の中で体を洗ってはいけない。靴を脱がないで家に入ったり、スリッパのまま畳に上がってはいけない、などだ。日本の社会では清潔さが重んじられ、礼儀が貴ばれる。中国人観光客は「郷に入っては郷に従え」で、訪問先の長所をみつけるようにし、長所から学ばなければならない。こうすれば旅行者個人が楽しく旅行できることはもとより、中国人観光客が日本社会に広く受け入れられ、歓迎されることにつながるのは確実だ。
(筆者は清華大学当代国際関係研究院の劉江永副院長)
「人民網日本語版」2011年7月19日