▽金融センターには基準がある
世界金融センター指数(GFCI)も中国が他国の例を参考にして編成した中国金融センター指数(CFCI)も具体的な指標システムを備えている。CFCIは金融産業の業績、金融機関の実力、金融市場の規模、金融をめぐる生態環境など5つの指標システムを検討の基準としている。
金融センターの建設を計画目標とする都市をみると、各方面の基準に一定の開きがある。各都市の統計局がまとめたデータによると、各都市の国内総生産(GDP)に対する金融業の貢献度ランキングは1位から順に上海市、北京市、深セン市、杭州市、広州市、天津市が並び、上海市は対GDP比が20%に迫り、天津市は貢献度が約6%にとどまった。英国・ロンドンの対GDP比は05年に84%に達し、日本・東京は57%に上るという。
企業戦略コンサルタントの王志剛氏が主催する王志剛工作室北京戦略センターの任国剛総経理(社長)は「30を超える金融センター(候補)は各地方政府の宣伝コンセプトに過ぎない。商業の中心と言ったなら、これほど多くの疑念を生じさせることはなかったとみられる。最終的にこれらの都市が本当の金融センターになるかどうかは、市場の選択を経なければならない」と話す。
任総経理によると、金融センターの建設は各地方の金融業発展における目標であり、手段に過ぎず、その本意は悪いことではない。だが丁副院長はこうした見方について、金融の役割を正確に認識する必要があるとし、認識しなければ行き過ぎが競争や無計画な投資が出現し、最終的には建設の重複という結果をもたらすと警告する。