▽「第4の都市」はどこ?
最新のGFCIでは、ロンドン、米国・ニューヨーク、香港地区が上位を占めた。分野別ランキングをみると、この3都市の金融センターにはそれぞれに強みがある。ロンドンは資産管理、財産の管理、政府、監督管理、専門サービスの分野でぬきんでており、ニューヨークは銀行業で他よりも高い評価を受け、香港は保険業でトップに立つ。
中国の約30都市で建設される予定の金融センターの強みはまたひと味違う。哈爾濱(ハルビン)市(黒竜江省)は北東アジアを対象とした地域の金融センターを目指し、太原市(山西省)は東の発展を受けて西の発展を切り開く地域型金融センターの建設を目標とする。福州市の目標は海峡両岸にまたがる地域金融センターの建設で、昆明市(雲南省)は今後20年間で汎アジア金融センターを建設するとの目標を掲げる。
丁副院長によると、中国で建設されようとしている地域型の金融センターは独自の優位点を発揮すべきで、発揮できれば各センターはそれぞれ異なった地域に影響を与えることになり、各センターの機能によって相互に補い合うことが可能になる。中央政府は各地方の経済発展に基づいて金融センターを統一的に計画し、建設する必要がある。
中国が将来的にいくつの金融センターを抱えるかという問題について、王氏は次のような見方を示す。香港、北京、上海の地位に取って代わることは不可能で、各省・直轄市がなろうと努力しているのは4番目の金融センター都市だ。だが今はまだ市場競争の段階にあり、これから本当に金融センターになりうるのは10都市にとどまるとみられる。
「人民網日本語版」2011年7月21日