産業のアップグレードの推進、貿易バランスの維持といった政策を受け、「中国経済神話」を築いた伝統的製造業が現在、苦境に陥っている。多くの企業は人材不足や資金難等の圧力により、経営難に直面している。中国製造業の専門家である龍永図氏はこのほど、「中国は世界の工場と呼ばれて恥じ入る必要はない。中国が製造業(労働密集型の製造業を含む)を放棄すれば、歴史的な過ちを犯すことになる」と表明した。北京晨報が報じた。
◆米国の反省を参考に
中国の世界貿易機構(WTO)加盟談判の首席代表を務めた龍氏は、中国家電協会および南方報業伝媒集団がこのほど開催した、中国WTO加盟後の10年間に関するフォーラムにて意見を述べた。龍氏は、「ネットバブルの崩壊、2008年のリーマン・ショックを経て、米国政府は過去の過ちを反省し、製造業の再興を決定した。これは米国および世界中の経済専門家にとって、重要な結論である」と語った。
「加工製造業は中国経済の発展を力強く後押しし、就業の機会を創出し、中国の都市化を推進した。中国が米国のような先進国になるまでの道のりはまだ長い。それなのに今、製造業を放棄しようというのか」