◆競争の優勢は短期的に変化なし
龍氏はまた、「中国は国情に基づき、製造業を発展させた」と語った。前回の金融危機において、中国の輸出量は大幅に減少したが、家電や衣料品といった労働密集型の産業により、数カ月後に回復を実現した。製造業全体、特に労働密集型の製造業は、国際競争において中国経済が強みを握る分野である。この流れは今後長期間、変わることはないだろう。また中国の製造業の経済全体に対する貢献は、富の創出のみならず就業機会の創出にも現れ、中国の安定的発展を支える。「家電大手の美的電器は、1社のみで20数万人に就業の機会を与え、間接的に50数万人に就業の機会を与えた。家電小売大手の蘇寧電器も10数万人に就業の機会を与えた。これらは大きな成果と言える」
◆製造業に政策支援を
龍氏は、政府は就業の機会を創出する製造業に対して、税収面の優遇措置をとるべきだと強調した。「これまでは利益を上げる企業を重視してきたが、現在は就業の機会を創出する企業を重視し、免税項目を検討すべきである。コストと圧力が増大し続けているこれらの企業に、政府が政策支援を検討しなければ、多くの企業が製造業から撤退するだろう。これらの企業が、道徳心や製造業に対する情熱により製造業を続けることはなく、利益といううま味が必要だからだ。これらの政策的調整を議事日程に上げなければ、リーマン・ショックの二の轍を踏むことになるだろう」
中国の伝統的製造企業は金融危機を乗り越えたが、苦境を脱したわけではない。今年より、節電、人材不足、貸し渋り、原材料コスト増等を受け、企業は重い負担に苦しんでいる。メディアの報道によると、資金繰りが苦しい一部の中小企業は、裏ルートから年利率60%で借入を行っている。実力を備える企業は、不動産業といった利益率の高い産業に鞍替えするか、金融投資を行っている。美的電器、ハイアール、衣料品の雅戈爾(YOUNGOR)、キッチン家電の蘇泊爾(SUPOR)、家電の格蘭仕(Galanz)、スポーツ用品の奥康等の製造企業は、不動産業務が業務において重要な一部を占めている。
「人民網日本語版」2011年7月20日