私はもともとマイカー族になろうかと思った時機もあったので、マイカー族には同情的であった。したがって、マイカー族の行動を制限したくはなかった。ところが、これほど渋滞がひどくなると、どうも何らかの手を打つべきである、と考えるようになった。
北京でかなり購読者のいる「北京晩報」(夕刊)に掲載された「出勤族」の声をひろってみると、「毎日の渋滞でイライラしている」、「毎日のバスでの出勤はバトルのようだ」、「ラッシュアワーで汗だくの出勤地獄」とかなり大変らしい。私たちの現役の頃は職住接近で、苦労しなかったが、今日の「出勤族」は、もう日本並みで、1日2、3時間を出勤と退勤に費やしている。仕事で東京に長期滞在していた頃、日本のラッシュアワーを体験して驚いたことがあるが、今やそれが近代化の道を突っ走る中国の現実となりつつあるのだ。
最近、北京市の交通主管部門が「都心部」の乗用車数は12%減った、と発表した。そして、公共交通システムの建設も急ピッチで進んでいる。今年上半期の公共交通システムの乗客輸送数は延べ34億人となった。