ただし細部に着目すると問題はやはり多い。ややこしい難題も一部に残されており、例えば産業構成バランスが挙げられる。上半期、第一次産業の生産額は1兆5700億元の増加で3.2%の伸び率、第二次産業の生産額は10兆2178億元の増加で11.0%の伸び率、第三次産業の生産額は8兆6581億元の増加で9.2%の伸び率となったが、これは中国経済の転換がまだまだ済んでおらず、第二次産業の規模過剰状態が依然として解消されていないことの証左である。また第三次産業は第二次産業の85%足らずであり、GDP占有率でたったの42.3%にとどまる。かたやアメリカは2009年に第三次産業GDP占有率76.9%を記録しており、第二次産業(GDP占有率21.9%)の3.5倍である。
こういった比較はやや一面的にすぎるかもしれないが、中国のGDPが第二次産業に過剰に依頼しているのは事実である。そして第二次産業は資源消費の上に成り立つという性質があり、電力、石油化学、鉄鋼とどれをとってみても投資や資源に頼らない分野はない。電車など高度科学技術製品の分野も含まれることを差し引いても、この点は見逃せないだろう。GDPが急速に成長する中国において、電力や石油化学、鉄鋼が著しく伸びている現象はまぎれもなく、重化学工業の段階をいまだ抜けていないということを示す。
この現実は、中国経済が構造上、資源消費と投資けん引という二大悪弊を脱していないことをも意味している。これは省エネ・排出削減に対して大きな障害となるだけでなく、経済の不動産業への依頼を解消する妨げともなる。そして不動産への依頼構造こそ、政府がマクロ調整の効果を期待する部分なのである。